カワウソの独り言

偏愛する映画と本について書いています。

今週あらため先月買った映画パンフレット#06

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2022.02.01~02.28に買った映画パンフレット

更新をサボってしまいました!ひと月分まとめてドーン。

■355 (2/4公開)

A4変形/タテ/カラー/32頁

発行日:2022年2月4日

発行所:東宝株式会社映像事業部

編集:株式会社東宝ステラ

デザイン:大寿美トモエ

印刷:日商印刷株式会社

定価:880円(税込)

各国のエージェントが敵対関係を乗り越えてタッグを組み、世界を救う物語。キャラクター紹介の背景には国旗、表紙を含め中身の場面写真はすべて険しい表情が並ぶ。スパイものではサポート役か、ワンナイト・アフェア要員的に登場するだけだった女性が、女性という属性に縛られず、一エージェントとして活躍するアクション映画であることが伝わってくる。国籍も人種も違う国際色豊かなキャラクターに合わせ、色にも意味をもたせた衣装、衣装が映えるアクションを求めるカメラワークへのこだわりなど男性メインのスパイものとは一線を画す女性が主役のアクションに視点を置いた解説。コラム3本は全て女性ライターさん。

■ゴーストバスターズアフターライフ (2/4公開)

正方形(25cm×25cm)/カラー/28頁

発行日:2022年2月4日

発行所:東宝株式会社映像事業部

編集:株式会社東宝ステラ

デザイン:ダイアローグ

印刷:成旺印刷株式会社

定価:880円(税込)

読ませ系パンフ。84/89年版の続編であることにちなみ「継承」に視点を置いた内容。前作は観客として観たという出演陣のコメントはファン心をくすぐる。先日逝去した前作の監督アイヴァン・ライトマンと息子である本作監ジェイソン・ライトマンのインタビューは、異なる映画人生を歩んできた二人がこの作品を通じてつながったことを感じさせ、涙を誘う。なかったことにされかけている2016年版も“正史”の一部として扱われていることに安堵。

ウエスト・サイド・ストーリー (2/11公開)

A4/タテ/カラー/130頁

発行日:2022年2月11日

発行所:東宝株式会社映像事業部

編集:株式会社東宝ステラ

デザイン:平塚寿江(東宝ステラ)

印刷:成旺印刷株式会社

定価:2,970円(税込)

発売と同時にどよめきの起きた“パンフレット”。本国でハードカバーのメイキングブックとして販売されている“本”を翻訳刊行したもののようだ。縦版を横版にし、2頁を1頁に収めてコンパクトにしているとはいえ、本国版がUS$ 40.00(日本円で約5,000円)なのに対して、翻訳という作業を経ても3,000円を切るというのは破格の値段ではあるが、パンフレットとは何か?と改めて意義を考えてみたくなる一冊。豊富な場面写真に加え絵コンテ、ミュージカルナンバーの詳解、キャスト&スタッフによるオーディオコメンタリー並みの解説と読み応えは圧倒的で、本作ファンなら持っていて損はない。

イル殺人事件 (2/25公開)

B5変形/タテ/カラー/44頁

発行日:2022年2月25日

発行・編集:株式会社ムービー・ウォーカー

編集人:佐藤英樹

デザイン:佐藤裕紀子

印刷:成旺印刷株式会社

定価880円(税込)

洋書を思わせる意匠性の高い金箔押しの豪華な表紙。表紙から邦題を廃し、原題だけを表示するのは最近の流行りか。ナイル側を下る豪華客船のなかで起こる事件を描く本作、場所は重要な要素ではないとはいえ、分かったほうが気分も盛り上がる。開くとまず地図、航路が乗っているのがうれしい。複雑な人物相関図の基本情報に始まり、監督・製作・主演を務めるケネス・ブラナーへのインタビュー、クリスティが描いた旅ミステリの紹介、歴代ポアロ比較など、原作刊行から80年以上たった今も唯一無二の世界を紡ぐ作品として愛される所以が深まる構成。

人物相関図といえば1978年公開版のポスター(下記はチラシ)のぐるりと並ぶ登場人物の顔のひとつをサインペンでぐるりと囲んで「犯人はコイツ」と書き込んだ不届きな輩がいた。劇場を通るたび「これは嘘、真犯人はこの人」「と見せかけて犯人は」「実は!」と○印が次々増えていたのは痛快だった(グッドジョブ!)。

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以下、未見作品(追って観ます)。

大怪獣のあとしまつ (2/4公開)

A4/タテ/カラー/52頁

発行日:2022年2月4日

発行:松竹株式会社事業推進部

編集:石川天翔[松竹]

デザイン:中川一史(Viemo)

印刷:三映印刷株式会社

定価1,000円(税込)

公開当日から物議を醸した映画本編とは違って、誰がみても「正統派!」と太鼓判の押せるパンフレット。体系立った人物紹介、悪ふざけではない、遊び心あふれるデザインで怪獣の造型も細部まで徹底解説。怪獣の皮膚の質感を出すための試行錯誤のくだり、コンセプトに基づいた美術設計など、ひとつの映像の裏にはこんな工夫と思いが、というのが伝わってくる丁寧さは好感度しかない。パンフレットを読んでますます本編が観てみたくなった。

ドリームプラン (2/4公開)

A4/タテ/カラー/32頁

発行日:2022年2月23日

発行:松竹株式会社事業推進部

編集:宮部さくや(松竹)

デザイン:五十嵐貴子(GIOSUÈ)

印刷:日商印刷株式会社

定価880円(税込)

こちらも表紙には原題(KING RICHARD)のみを載せるスタイル。実在のスポーツ選手を扱った映画は、そのスポーツにさほど興味のない人を引き込めるか?が肝心だと思う。テニスはわりと人口の多いスポーツだが、主役たるウィリアムズ姉妹への関心と興味をかき立てるバイオグラフィや、劇中に登場する二人を取り巻く実在の人物紹介は良いフック。ビーナス&セリーナの両姉妹と対戦したことのある伊達公子さんのインタビューにより二人の人物像はもとより当時の空気感も伝わってきて映画の世界観が深まる。

シラノ (2/25公開)

B5/ヨコ/カラー/32頁

発行日:2022年2月23日

発行:東宝東和株式会社

編集:株式会社東宝ステラ

デザイン:堀田弘明

印刷:株式会社久栄社

定価880円(税込)

光沢感あるシアーな表紙に中身はシックな色合いで高級感のあるつくり。表紙が無地だからこそ、開いたときに目に飛び込んでくるシラノ役ピーター・ディンクレイジの姿のインパクト。元は舞台版だったものをキャストはそのままに映画化したものだとのことだが、幕の開く感があって良い。使用写真は少ないものの、どれもハッとするほど美しい。フランス文学者による原作戯曲の解説は、主人公の造型や設定に違いはあれども、そして150年以上の時を経ようとも今も変わらない真理があることを教えてくれる。音楽について、またキャストと監督がいかにして本作をつくりあげていったかが分かるコラム、インタビューなど、これも読ませ系パンフ。