今週買った映画パンフレット#01
「映画パンフは宇宙だ!」で年末に募った「今年のベスト映画パンフレット」。
メンバーはもちろんのこと、団体外に向けても広くTwitter等で募集している恒例のアンケートだ。今年も10冊、すらすらと書き進めていったはいいものの、終わりのほうの1項目「今年購入したパンフは何冊?」に至って「ウッ…」と詰まってしまった。
元来、整理整頓が苦手なうえに、ナマケモノのズボラゆえ記録もつけておらず。あちこちに散らばったパンフレットを一堂に集めるまでにえらく難儀した。探せた範囲で93冊。この暮れの大探索に懲りて、今年は何が何でも記録はつけるぞ!と決意を新たに、強制装置としてTwitterのスペース機能を使ってみることにする。
毎週日曜日の22時から30分程度、その週に買った映画パンフレットを紹介し、ブログに綴っていくつもり。自分の性格からして、大々的に宣言しておけば途中でやめるにやめられないだろう、という読みと魂胆です。
売り切れを心配して公開初日にパンフレットだけ先に買いに行き鑑賞は追って、というパターンはメンバーあるあるだが、昨年はとうとう鑑賞のチャンスをのがしてしまった作品もあった。今年はパンフ買った作品は全て観ることを誓います。
今週は4作品5冊を紹介。全て2021年劇場公開作品です。
■GUNDA 12/10公開
シネマカリテ、ヒューマントラスト渋谷ほかで上映中(2022/01/03現在)
B5/横/モノクロ/20頁
発行:ビターズ・エンド
デザイン:山田裕紀子
印刷所:三永印刷
定価:650円(税込)
- 冒頭見開きに国外の著名人・メディアの短評、後ろの見開きに国内著名人の短評
- コラムは2本。森直人さんと家畜写真家の瀧見明花里さん(ニュージーランドでファームステイ中に仔牛の安楽死に立ち会い、命をいただくということの意味を実感。監督が作品に込めた想いとのシンクロを感じる内容)
- ヴィクトル・コサコフスキー監督インタビュー ホアキン・フェニックスがプロデューサーになった経緯も。
- スタッフプロフィールでホアキンに加え、制作会社も詳しく紹介。
■BELUSHI 12/17公開
シネマカリテ、ヒューマントラスト有楽町ほかで上映中(2022/01/03現在)
B5/縦/カラー/16頁
発行:アンプラグド
デザイン:塚本陽(ツカモトキヨシ)
定価:600円(税込)
- プライベート写真も多数
- 劇中で使われているアニメーションをイラストとして使用。blurのデーモン・アルバーン率いるゴリラズのミュージックビデオなどで知られるイラストレーターのロバート・バレーが手掛けているもの。パンフ全体の色合いもあわせて統一。
- ベルーシのプロフィールページが充実、フィルモグラフィーも完備。
- チェビー・チェイス、ダン・エイクロイド、ビル・マーレイ、キャリー・フィッシャーなど一緒に仕事をした人たちを紹介――どんな時代に生きたのか。
- コラムは2本。長谷川町蔵さんはSNLを中心に。松永良平さんはエンドロールで最初に流れる曲について(The 2,000 Pound Bee (Part 2))。
■世界で一番美しい少年 12/17公開
ヒューマントラストシネマ渋谷、シネマカリテ、シネスイッチ銀座ほかで上映中(2022/01/03現在)
A5/縦/カラー/36頁
発行:松竹
デザイン:山田裕紀子
印刷所:成旺印刷
定価:900円(税込)
- 冒頭見開きで監督による製作の意図、おわりにプロデューサーによる製作の意図。興味本位ではなく、対象化が個人に与える影響をとらえようとする姿勢がみえてくる。
- コラムは4本。立田敦子さん、大森さわこさん、石田美紀(イシダミノリ)さんは日本の漫画へ与えた影響を交えつつ、芝山幹郎さん。
- クリスティーナ・リンドストロム、クリスティアン・ペトリ両監督に加え、ビョルン・アンドレセン本人へもインタビュー。彼個人のヒストリーをみせる年表と短いフィルモグラフィは波瀾万丈の人生を物語るようでもある。
■マトリックスレザレクションズ 12/17公開
各シネコンほかで上映中(2022/01/03現在)
通常版:A4/縦/カラー/36頁
発行:松竹
デザイン:志氣慶二郎(SlowStarter)垣花誠(kakihanamakoto.com)
刷所:成旺印刷
定価:880円(税込)
- 志氣慶二郎さんと垣花誠さんは『LOOPER/ルーパー』(2012)、『ブレードランナー 2049』(2017)、『TENET』(2020)でもタッグ。
- 「考察」の青、「真実」の赤に分かれる構成。「青」はコラム中心。前田真宏監督、巽孝之さん(慶應大教授、SF評論家)、大口孝之さん(VFX、CG、3D映画、特殊形態スクリーン、アートアニメーション、展示映像などを専門とする映像ジャーナリスト)、大森さわこさん、よしひろまさみちさん。「赤」はラナ・ウォシャウスキー監督、キャストインタビュー中心。三部作で完結としていた監督はなぜ本作を作ったのかを紐解くプロダクションノートなど、丁寧に作り込まれている。
特別版:A4/縦/カラー/56頁
発行:松竹
デザイン:垣花誠(kakihanamakoto.com)志氣慶二郎(SlowStarter)
印刷:成旺印刷
定価:1,800円(税込)
- メタリックグリーンの装幀が格好良い。
- 稲垣貴俊さん(ライター)がコラム、インタビューほか八面六臂の活躍。
- 劇中に飛びかうサイバー用語解説。
- 押井守監督が語るマトリックス。
- 三部作振り返り(蛍光グリーンのページが美しい)。
- アニマトリックス全話紹介(前田監督インタビュー)。
- 解説コラムは6本(巽孝之さん、大口孝之さん、ギンティ小林さん[香港映画、ユエン・ウーピンと絡めて]、大森さわこさん、森直人さん、よしひろまさみちさん)。